家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「君をクラリスの妹として、何もせずに暮らすのは、少し無理がある。」

「ええ?」ルシアの顔が固まった。完全に、その思惑だったのだろう。

セドリックは淡々と続けた。

「こうしよう。グレイバーン家で君を雇うっていうのはどうだ?」

「雇う? どういうこと?」

「使用人、侍女としてクラリスのために働いてもらう。」

「はあ⁉」ルシアの高い声が響く。

私は横で、笑いを堪えるのに必死だった。

あのルシアが、侍女……? 

朝早くから掃除に洗濯、食事の準備まで? 絶対に想像できない。

「待って。待ってよ、お兄様。本気で言ってるの⁉ 私が? 使用人?」

「屋敷に住まわせるからには、それ相応の働きをしてもらう。これは当然のことだろう?」

セドリックは至って真面目な顔。

それが余計に面白い。

ルシアは絶句したまま、私の方に助けを求めるような目を向けてきたけれど――私は首を横に振った。
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