家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
すると彼女達はまるで、親しい人に話しかけるように私に尋ねた。

「旦那様はお優しいですか?」

「そうね。」

まだ一日しか経っていないけれど、そう答えた。

「だって、そうよ。旦那様は私達にもお優しいもの。お嬢様と違って。」

「お嬢様?」思わず聞き返す。

「旦那様のお姉様です。」

私は驚いた。

そんな話、聞いていない。
「……今はどこにお住まいなの?」

「ええっと……出産で、お亡くなりになられて……」

口ごもる侍女の言葉に、私は沈黙した。

「とてもお綺麗で、気高いお方でした。でも、私達には少し厳しくて……」

彼女たちは互いに目を見合わせながら、どこか遠慮がちに語る。

「旦那様は、お姉様が亡くなってから、より一層、私達に優しくなったんです。」

私は胸の奥がじんとした。

セドリックの優しさの根には、そんな深い哀しみがあったのだと初めて知った。
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