家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「私も勉強しようかしら。」そう言うと、セドリックはすぐに首を横に振った。

「止めた方がいい。」

「まあ、どうして?」

「図書室にある書物なんて、全部読んでたら一生終わってしまうよ。」

あまりにも真面目な顔をして言うから、思わず私は吹き出してしまった。

「それよりも、僕との甘い時間を過ごした方がいい。」

新婚だからか、セドリックは私に対してとても積極的だ。

けれどそれが不思議と嫌ではなく、むしろ胸がきゅんとする。

「夫人の務めは、跡継ぎを儲けることだとマリーナが言っていたわ。」

そう言うと、セドリックは目を丸くして笑った。

「マリーナめ……。」

セドリックは、少し細い目で私を見つめた。

「子供は産んでほしい。できれば男子を。」

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