君の隣。



部活が終わり校門のところまで向かう


わたしが校門のところに着くとすでに新太が待っていた


"待たせちゃったかな?"と聞くと
"そんなことないよ"
と言って自転車に乗った


帰り道はポツリ、ポツリと会話する程度だった

わたしの家に着く頃には辺りは暗くなっていた

自転車を降りると新太から

「柚那…俺たち別れよう」

やっぱり…
でもちゃんと話さなきゃ…

「理由を聞かせてくれる?」

「柚那のこと大切にしてあげれないし
柚那に対しての気持ちが無くなったんだ」

「そう…
他に好きな人でもできた?」

「できてないよ
今は自分のことで精一杯だし
誰かと付き合うとかも考えてない」

嘘だ、

でも…まだ新太のことが好きだった
大好きだった

「わかったよ、
でもまだ新太のことが好きで…わたしの気の済むまで好きでいていい?まだ諦めれそうにないよ…」

なんて自分は弱い人間なんだろう


新太は"わかった"とだけ言った


そのあとは軽く世間話をしていたけどあまり覚えてない

ただ
"茉莉の好きな人がクラスにいてそれを梨花と一緒に応援しているんだ"

って笑って話されたときには

"梨花のことが好きなんだ"

と冷静に考えていた


「今までありがとな」


と言って新太は帰っていった




わたしたちは別れた



1年と1ヶ月だった







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