突然、課長と秘密の関係になりました
 子どもの頃聞いていたら、多少違ったのかもしれないが、大人になった今聞いても、
「ああ、そうなんですか」
 くらいにしか思わないようだった。

 まあもう、自分自身が新しい家庭を作る年齢だしな、と彰宏も思う。

 このまま、もう誰が誰の子だとか、その手の真実には触れないでおいても大丈夫……

 だと思うのに。

 ……駄目だっ。
 何故、俺はこういう性格なんだっ。

 どうしても、物事をうやむやにできないっ。

 彰宏は覚悟を決め、昴の書斎をノックした。

 はい、とすぐに返事があったので入ると、昴は台本のチェックをしていたようだった。

 単刀直入に訊いてみる。

「父さん、もしかして、俺も父さんの子ども?

 それで、離婚するとき、俺が父さんの方に残るって言ったら、喜んでくれたの?」
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