突然、課長と秘密の関係になりました
 だが、昴は、きょとんとし、
「いや――」
と言った。

 ホッとして、ちょっと顔がほころぶ。

 彰宏、と昴は台本を置くと、こちらに向き直り、自分を見つめて言った。

「お前が私の子どもでも、そうじゃなくても、大切な息子であることには違いないよ」

「父さん……」

 安堵したあとだったこともあり、そのセリフを熱く噛み締めていたが。

「まあ、ほんとのところ、どうなのか知らないけど。
 お前はずっと私の大事な息子だよ」
と昴は女性たちを虜にする素敵な微笑みを息子かもしれない男に向けた。

 ――いや、だから、そこっ、ハッキリしてくださいっ!
と彰宏は思う。





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