扇情的ナミダ

受諾と思い出


俺の言葉に考えるような仕草をしてから、視線を逸らす。

「痛くしないでね。」

頬が赤く染まっていくのを見て、自分の中の熱が上昇した。
堪らない。

「約束は出来ないかな。ただ素直な君を見せて欲しい。」

ベッドに寝ている彼女に、自分の重みを乗せていく。
留惟の柔らかい身体が、俺を受け入れる様に沈む。

歓喜と少しの恐怖。
君は、どこまで俺のすることを許してくれる?

温もりと甘い香りに包まれて、幸せに浸り、貪欲に染まる。

「留惟、キスしてもいいかな。」

目を合わせ、俺の問いに彼女は口元だけの笑顔。

「駄目よ、まだ私たちは付き合ってもいないのだから。」

そう言えば保留だったか。
何故か、彼女の余裕が許せなくなる。

「どうすれば泣くの?」


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