扇情的ナミダ

彼女は固く閉じた口元の力を緩め、そっと片目を開けた。
ようやっと俺が観察していた事に気付く。

恥ずかしさなのか頬は一気に赤く染まり、軽い力で抵抗するように殴る。
その本気じゃない手を捕まえ、引き寄せた。

額や目元に口づけ。

「留惟、好きだよ。」

機嫌が直ったのか、留惟は上目で笑みを見せる。

「キスしてもいい?」





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