扇情的ナミダ
やっと察知したのか、鍵を開けようと慌てる。
「遅いよね、気付くの。優しい留惟、俺は君ともっと仲良くなりたいんだ。色んな表情を見せてよ。」
顔を近づけると、口もとを引きつらせ、逃げ場を失った動揺なのか部屋の奥へと向かう。
距離を取りたくて、逃げているのかもしれないけど。
奥にはベッドと。窓か。
逃がさないよ。
留惟が窓の鍵に手をかけた所で取り押さえた。
激しい抵抗。
なだめる様に抱き寄せ、耳元で囁く。
「ね、今の状況って分かる?騒いで誰かが来たら、どうなるか。君だって困るよね?」
抵抗が緩んだのを感じ、お姫様抱っこ。
そしてベッドに運んで寝かせた。
「くくっ。あはは。」
我慢していた笑いが込み上げる。
俺を見上げる視線。