嫁いだ以上妻の役目は果たしますが、愛さなくて結構です!~なのに鉄壁外科医は溺愛を容赦しない~
『てことで、困るならデートくらいして、心を掴んでおかないと』
「デート、ね」
『うちが必要ならいつでも都合つけるし言って』
「ああ、誘うのに成功したらその時は頼む」
『おお、やる気じゃん。いいね』

 頑張れと応援され、マグカップを手に取り、冷めきったコーヒーをひと口飲んだ。

「で、お前は俺の結婚生活に物申すために連絡してきたのか?」
『あ、違う違う。ちょっと聞きたいことがあって』

 ようやく本題に入る拓海の話を聞きながら、紘生は思案した。

 果たして、離婚を念頭に入れている美七をデートに誘って、了承してくれるだろうか。

 紘生は拓海の声をBGMにしながら、また猫のようにつれない反応を示すだろう美七を想像し、頬を緩めた。


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