一番星は君ひとりだけ


それは聞いてない。

確かに、俺はまだ彼女のことをよく知らない。


「生半可な気持ちで守りたいとか支えたいとか言わないことね。才菜を傷付けるだけよ」

「ごめんなさい。…だったら、今から聞きたいです」


大家さんと、才菜ちゃん、俺はダイニングテーブルに座る。


「ここのグループホームってのは、精神疾患の方達が支援を受けながら自立して、暮らす所なの。うつ病の方とかね。才菜は、うつ病と自閉症で精神障害手帳2級を持ってるわ。」

「そうなんですね」

「あなたも、話してて分かったでしょ。あまり話すの得意じゃないって。自分の気持ちを表現するのが苦手なのよね」

「それは感じましたね」

「うつ病の話で言えば、抑うつ状態の時は、今日みたいに外に出ることもできないわよ。家のこともままならない」

「はい」

「それを支えられる?」

「俺は、家事全般できるので、負担にはさせないです」


病気や障がいなんてどうでも良かった。才菜ちゃんにとっては大きなことなのは分かる。だけど、それ以上に俺は、彼女と一緒にいたいって思っているから。


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