一番星は君ひとりだけ
中をゆっくり歩いていると、シャイニングの先輩方のコーナーや後輩達のコーナーがあり、女性達が意外と静かにプロマイドを吟味している姿が見える。
男ひとりは確かに浮くけれど、自分の推しに集中している方ばかりなため、俺の方には目もくれない。
奥の方に、トライアングルの大きなコーナーがある。俺達トライアングルはとてもとてもありがたいことに、シャイニングの中でも一、二を争う人気を誇らせてもらってる。そのお陰でこんな大きなコーナーがあるんだろう。
嬉しいな。
俺はこうなりたくてアイドルになったんだ。
誰かの一番星になりたくて。
キラキラ光る、一番星に。
物思いにふけていると、そこに1人の女性が現れる。
何故か俺の目に強烈に映った。
彼女は、肩を少し超えるほどのセミロング?の髪の、どこか儚げな雰囲気。色白だからだろうか。透き通っていて、触れたら溶けてしまいそうな感じがする。
俺のプロマイドを手に取り、静かに眺めていた。
俺の、ファン…か。
触れてみたい。
触れてはいけないと分かっているのに。
俺はアイドルなんだ。
恋愛なんて…。
なんだ、これ…一目惚れってやつか?
彼女の、儚く今にも消えてしまいそうな雰囲気に、抱き締めてしまいたくなった。