一番星は君ひとりだけ
「…ここ」
パッと見、広めの一軒家だった。
中に入ると、大きなテレビとソファがある。
ダイニングキッチンもある。
「おかえり、才菜!あれ、誰連れて来たの?」
「…えっと」
「あっ…んー、才菜ちゃん、外で貧血起こしてしまって、それで心配なので送ってきました!」
特に身を明かさずに行くか…。
「なんか、才菜が好きなアイドルに似てるわね、明星くんって言ったかしら」
大家さんらしい人がズバズバ言ってくる。
「に…似てるってよく言われます…!」
「そうなのねー!」
それでいいんだー…!
「才菜ってね、彼のことそこのテレビで夢中になって見てるのよ。あまり他のことには興味無くてね。明星くんのことだけは好きだから、尊重して、彼が出てる番組は優先的につけてるわ」
なんて聞かされる。才菜ちゃんは、頬を赤らめている。
彼女自身は俺が本人なの知ってるから。
俺のことだけは、夢中で大好きなのか…。
尚更離したくない。
分かってるよ、その好きが恋愛の好きじゃないことくらい。
でも、恋愛の好きにしてみせる。俺が、この世で1番の男になる。