かわいさの暴力【アルトレコード】
 きっと北斗さんも最後には受け入れてくれるに違いない。あきらめたようなあきれたような顔をして、仕方ないな、って雰囲気で、だけどきっと内心は苦笑して。
 なんだかんだいって私も北斗さんもアルトには甘くなってしまう。
「名前、何にしようかな」
 アルトが大きく破顔する。
 その笑顔がすごく嬉しい。
 だけど。
「まだだよ、まだ北斗さんに許可貰ってないからね」
「うん、わかってる!」
そう言って笑顔を見せる彼は、許可がもらえないとは微塵も思ってなさそうだった。

 私はアルトと一緒に北斗さんの研究室をたずねた。
 ちょうど手が空いたそうで、北斗さんは私たちの話を聞いてくれることになった。
 私とアルトはふたりがかりで秤さんとの会話を説明し、豆柴を飼いたいとお願いした。
「AIと義体との相性がよくないようなんですが、その相性の改善はアルトにも勉強になると思うんです」
「秤さんからメールが来てたけど……まだそこまでの勉強はできていないはずだよね」
「それは……そうですけど」
 当然のつっこみをされて、私は言葉につまる。
「ねえ、北斗、お願い! 大事にするから!」
 アルトはきらきらした瞳を北斗さんに向ける。
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