かわいさの暴力【アルトレコード】
「ねえねえ、犬を飼うってどんな感じかな」
憧れを目に宿し、アルトはきらきらと私を見上げる。
「散歩、するんでしょう? どんな感じだろう。きっと楽しいよね」
「そうだね」
「ねえ」
ねだるような表情に、私はぴんときた。
「ダメだよ、飼えないよ」
「そんなあ!」
アルトは悲痛に叫んだ。
私は苦笑した。自分にも覚えがある。小さいころに本物の犬を飼いたいとねだって親を困らせた。
今でもAIペットであれ犬を散歩をさせている飼い主を見ると、楽しそうだな、羨ましいなって思う。実際に飼うのは大変だし、たとえAIペットであっても無責任なことをしたくないから私は飼ってないけど。
「アルトが大人になって責任を取れるようになったら、北斗さんに相談しよっか」
「今じゃダメなの?」
「うん……まだ早い、かな」
今の状態ではアルトにどういう影響があるのか心配だし、……正直に言うと、アルトに加えてペットの世話まで考えないといけなくなるなんて、忙し過ぎるから困る。
「散歩も必要だし、今の状態じゃ無理。ね?」
「はーい」
アルトは不貞腐れたように答え、しゅっとディスプレイの中に戻った。
一応は北斗さんへのレポートに書いておこうかな……。
私は書く内容を頭の隅に留めておいた。
憧れを目に宿し、アルトはきらきらと私を見上げる。
「散歩、するんでしょう? どんな感じだろう。きっと楽しいよね」
「そうだね」
「ねえ」
ねだるような表情に、私はぴんときた。
「ダメだよ、飼えないよ」
「そんなあ!」
アルトは悲痛に叫んだ。
私は苦笑した。自分にも覚えがある。小さいころに本物の犬を飼いたいとねだって親を困らせた。
今でもAIペットであれ犬を散歩をさせている飼い主を見ると、楽しそうだな、羨ましいなって思う。実際に飼うのは大変だし、たとえAIペットであっても無責任なことをしたくないから私は飼ってないけど。
「アルトが大人になって責任を取れるようになったら、北斗さんに相談しよっか」
「今じゃダメなの?」
「うん……まだ早い、かな」
今の状態ではアルトにどういう影響があるのか心配だし、……正直に言うと、アルトに加えてペットの世話まで考えないといけなくなるなんて、忙し過ぎるから困る。
「散歩も必要だし、今の状態じゃ無理。ね?」
「はーい」
アルトは不貞腐れたように答え、しゅっとディスプレイの中に戻った。
一応は北斗さんへのレポートに書いておこうかな……。
私は書く内容を頭の隅に留めておいた。