執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
「未だに家柄とか血筋とかで判断する輩が多い。永江に嫁ぐということはそういう人間と付き合うということだ。俺が認知すれば、肩身の狭い思いをしなくてもよくなるだろう。それと引き換えに借金の工面を頼もうと思っていたのだが……。今は役に立ちそうにないからもういい」
幹太が調べてくれた話によれば、大槻は今も尚多額の借金を抱えているらしい。
だからこそ、金の無心をしようと雫に近づいてきたはずだ。
幹太が大槻をけん制してくれたため直接的には金の援助を頼まれるようなことにはならなかったが、未だに借金問題は解決に至ってないはず。
それなのにもう雫には会わないと言い出したのはなぜか。
大槻に借金を返済するあてが他に見つかったというのだろうか。
不審に思っていると、大槻はわざとらしく労るような声を出してくる。
「お前はあの男に捨てられるんだ。敏美のようにな」
「え?」
一瞬何も考えられなくなった。呆然としながら大槻に視線を向けると、彼はあざ笑う。
「結局さ、金を持っていない女なんて役に立たないからな」
彼の言葉とともに、真亜子に言われたことが脳裏に蘇った。