執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
ギュッと心臓を鷲掴みされたように痛み、顔を歪める。
幹太の傍にいたい。彼をずっと愛していたい。その気持ちだけで、なんとか乗り切ろうとしていた。
だが、実際問題それがとても難しいことだということも理解している。
彼は大企業のトップに立つ人だ。感情だけではどうにもできなくなることは多々出てくるだろう。
今までは許されていたとしても彼の妻として雫を見たとき、周りが口出しをしてくる可能性は非常に高い。
真亜子のように幹太の仕事を理解してサポートでき、なにより彼を経済面などからもバックアップできるような太いパイプを持った女性を周りの人間は求めるはずだ。
好きという気持ちだけでは乗り越えられない大きな壁。それをここ最近痛烈に感じていた。
大槻のことがなかったとしても、恐らく同じ悩みを抱くときは必ず訪れていただろう。
膝に載せていた手に力が入る。視線を落として感情に蓋をしようと必死になっていると、大槻は雫を煽ってくる。
「でもまぁ。俺のかわいい娘が捨てられるんだ。慰謝料ぐらいは踏み倒せるかな?」
その言葉を聞いて、頭に血が上る。顔を上げ、大槻を睨み付けた。