執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
「幹太くんにこれ以上迷惑をかけないで!」
ここがカフェの店内だと忘れて、思わず叫んでしまった。
感情を露わにした雫を見て、大槻はニヤニヤと厭らしく笑う。
「まぁまぁ、落ち着けよ」
その言葉を聞き、ようやく我に返る。
周りからの視線を感じて、「スミマセン」と慌ててあちこちに頭を下げた。
ようやく場が落ち着いてホッと胸を撫で下ろしていると、大槻は腰を上げる。
「永江幹太は、容赦なくお前を捨てる。可哀想になぁ、長年付き合っていたんだろう?」
何も言えないでいると、彼は去り際に酷い言葉を投げつけてきた。
「お前の価値なんてゼロに等しい。利用価値がある女との結婚前の暇つぶしで付き合っただけだ。それは敏美も同じだった。親子揃って不憫なものだな」
それだけ言うと、彼はカフェを出て行った。
大通りを歩いて立ち去る大槻の姿を視界に入れるだけしかできない。心をズタズタに傷つけられ、何も考えらなくなってしまった。
ドクドクと心臓がイヤな音を立て、叫びたくなるほど不安が押し寄せてくる。
「う……っ」