執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
ギュッと力強く抱きしめられて、目を白黒とさせた。すぐ傍に見える彼の耳が真っ赤になっているのがわかり、胸を撫で下ろす。
「見苦しかったからジャケットを着せてきたのかと思った」
雫の言葉を聞いて、幹太は勢いよく離れる。雫の両肩に手を置きながら、彼は首を大きく横に振って全力で否定をした。
「馬鹿な! いつもかわいい雫が、よりかわいくなった姿を見て見苦しいなんてあり得ない! 雫だとしても、そんなこと言うヤツを俺は許さない」
真剣な眼差しを向けられて、慌てて視線をそらす。
幹太は昔からこうやってまっすぐな気持ちを雫に向けてくる。それは嬉しくもあるが、恥ずかしさもあった。
でも、こうしてストレートに感情をぶつけてくれるからこそ、雫は彼の彼女でいられるのだと思う。
幹太との付き合いは長い。出会いは保育園時代に遡る。
母の仕事の関係で、雫が四歳のときに今のマンションへと移り住んだ。
その近所にあった保育園に入園したとき、すぐに仲良くなったのが晶子である。
そこでよく晶子と一緒にいた雫は、晶子の従兄であり年長組だった幹太に面倒をみてもらっていたのだ。