執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
『雫ちゃん、何か辛い事があったら絶対に俺に言えよ』
そう言ってほほ笑む幹太は、今の彼と何も変わらない。
幼い頃から頼れる兄貴分で、その頃から淡い恋心を抱いていた。雫にとって初恋の人でもある。
その後も晶子を通して頻繁に顔を合わせる仲だったのだが、そんな関係が変わったのは、雫が高校生になったときだ。
幹太と同じ高校に行きたい。その一心で受験を乗り越え、有名進学校に合格を決めた。
入学できたのは嬉しかったが、きっと彼とは今までのように親しくはできない。
そう思ったのは、入学式で幹太が生徒会長として挨拶をしたのを見たときだ。
キラキラと輝いていて、近寄りがたいものを感じてしまった。
彼に集まる羨望の眼差し。女生徒たちの恋するような目。それらを目の当たりにしたとき、雫では彼の傍にはいられないと悟ったのだ。
彼と同じ学校にいられるだけで十分幸せ。そう自分に言い聞かせていたのだが、予想もしなかったことが式のあとに起きた。
会場をあとにしようとした雫に幹太は駆け寄ってきて、全校生徒がいる前で告白をしてきたのだ。