執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
目を瞬かせていると、真太は天井を見上げて肩を落とす。そして、ゆっくりとした動作で雫に向き直った。
「まぁ、いいよ。俺は結局雫ちゃんが幸せならいいっていうスタンスでいたからね」
どこか独り言のように呟いたあと、彼はニッと口角を上げて爽やかに笑う。
「兄ちゃんに話せなくても、俺には話せるでしょう?」
「真太くん」
「まずは、今後のことについて近々ゆっくりと話そう? それから行動しても遅くないと思うよ」
それではダメだ。早急に動き出さなければ、幹太にすべてがバレてしまう。
そうなる前に、彼から離れなければならない。
再び真太への説得を試みたのだけれど、決して頷いてはくれなかった。
「きちんと俺と話すって約束して。そうしないと、兄ちゃんに言いつけるよ」
「真太くん……」
そんなことを言われてしまったら、はいと返事するしかないだろう。
渋々と頷いてその場は別れたが、心の中で真太に何度も謝った。きっと彼との約束は守れないだろう。
真太が幹太に妊娠のことを告げる前に、雫は幹太に別れを告げなければならない。
幹太のことを思えば、これが最良の選択になる。そう信じていたい。