執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~


 妊娠したことを気づかれてしまったら、責任感の強い彼は絶対に別れを選ばないだろう。
 それは雫にどんな事情があったとしても、絶対に責任を取ろうとしてくるはずだ。

 それに大槻のことも気がかりだ。雫が幹太の子を妊娠したと知れば、それを餌にして幹太に金の無心をする可能性がある。
 だからこそ早く幹太とは別れて、どこか遠くに逃げなければならない。

 とにかく妊娠のことについては、幹太と大槻の耳には絶対に入れてはならないのだ。

 今夜が最後だ。これを境に幹太とは会わない覚悟を決めてきた。
 いつも通りを心がけ、図書館の駐車場で待っていた幹太に声をかける。

「幹太くん、お待たせ」
「いや、今来たところだ。お疲れ様、雫」
「幹太くんもお疲れ様。忙しいんでしょう? 大丈夫だった?」
「もちろん」
「本当?」
「ああ、無理をすると雫に叱られるからな。きちんと気をつけているよ」

 戯けながら言う彼を見て笑ったあと、彼の運転する車で行き着けの割烹料理店へと向かった。
 格式高そうな店内ではあるが、大将と女将さんは気さくな人で雫もこのお店は大好きだ。
< 112 / 158 >

この作品をシェア

pagetop