執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
その重みを手のひらに感じ、目に涙が滲んでくる。身体の奥から込み上げてくるのは、嬉しさだった。でも……。
――彼の愛に応える訳にはいかない。
手のひらに載せられたその小さな箱を大事に両手で包み込んだあと、彼の前に差し出す。
「幹太くん、これをもらうことはできないよ」
自分でもビックリするほど感情が込められていない声だ。だが、それでいい。
今、雫の胸中に秘めている感情を幹太に知られたくはなかった。
丁重に箱を返そうとする。そんな雫を見る彼の目は、落胆というより納得しているように見えた。
どうして彼がそんな目をしているのか。その理由がわからず戸惑っていると、彼はゆっくりと立ち上がって雫を見下ろしてくる。
幹太の表情はとても無機質に見え、いつもとは様子が違った。
感情が読めないからこその迫力を感じて、少し怖く感じる。
一歩だけ後ずさりをしたのだが、それ以上は足を動かすことはできなかった。
「雫、どうして?」
感情の起伏を感じられない彼の声に一瞬ビクッと身体を震わせる。だが、すぐに気を取り直した。
ここで引いてしまったら、幹太と別れることは叶わなくなるだろう。