執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
車を駐車場に置いたあと、彼に促されるがままエレベーターへと乗り込む。
「ねぇ、幹太くん――」
どうして幹太はここに雫を連れてきたのか。それを問いたかったのだけれど、開きかけた口はゆっくりと閉じてしまう。
幹太が険しい表情をしていたため、声をかけられる状態ではなかったからだ。
雫がこれから別れ話を切り出してくる。それをわかっているからこそ、彼はこんな表情になっているのだろう。
申し訳なさを感じながらも、いかに幹太に諦めてもらうか。
雫は彼の背中を見つめながら、必死に考えを巡らせた。