執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
『井熊雫さん。君が高校生になるのをずっと待っていました。俺と結婚を前提にお付き合いしてください』
そう言って、彼は深々と頭を下げてきた。
悲鳴に似た黄色い声、驚きに満ちたどよめき。それらが雫の耳に入っていたが、どこかぼんやりとしていたように思える。
真剣な眼差しを向ける幹太を見て、この状況が夢でもなければ嘘でもない、現実なのだと我に返った。
幸せを噛みしめたあと、涙が零れそうになるのを堪えて「はい」と頷いて返事をしたことは覚えている。
それからというもの幹太は今までのように兄貴分らしい立場はそのままで、そこに加え彼氏として雫を愛し続けてくれた。
紳士的な振る舞いはもちろんだが、雫が困っていればスマートに助けてくれる。常に彼は雫ファーストだった。
絶対的な愛を彼から感じていたからこそ、雫は幹太を狙っている女性たちに立ち向かえたのだと思っている。
彼はとにかくモテていた。雫が知る限り、彼は幼少期からずっとモテ続けている。
彼の周りには常に魅力的な女性がいて、雫は彼女らから妬まれることが多かった。