執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
極力いつも通りを心がけて聞いたのだけれど、どうしても声は固くなってしまう。
そういうこともまるっとすべてお見通しであろう彼は、目元を緩ませて魅惑的な表情を浮かべてきた。
思わず見惚れてしまいそうなほど魅力的で、一瞬惚けてしまう。
薄く口を開いた雫を見て、幹太は甘い声で囁いてくる。
「ここ? 俺たちの愛の巣だな」
一瞬呆気に取られてしまう。先程まで彼に見惚れてしまっていたが、すぐに現実へと意識は戻ってくる。
彼の言葉の意味がどうしても理解できず、雫はぎこちなくほほ笑みながら首を傾げた。
「愛の巣……?」
雫が大いに戸惑っているのが、幹太には伝わっているのだろう。
彼は余裕をたっぷりと含みながら、ゆっくりと口角を上げる。その仕草がまたセクシーで、ドキッと胸を高鳴らせてしまった。
今はそれどころではないというのに、どうして幹太はこうも人の心を揺さぶってくるのだろう。
昔からだとはいえ、いや、昔からだからこそ、そろそろ慣れなさいと自分を叱咤したくなる。
依然、彼の右手は窓に触れながら、左手は雫の頬を羽のように優しく触れてきた。