執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
こんな事態になった時点である程度は予測していたが、やはり彼にはすべてバレてしまっていたようだ。
雫のお腹の中には、彼との子どもがいるということを……。
誰にも内緒にしていたのに、どうしてこんなことになってしまったのか。
グルグルと頭の中で葛藤が繰り広げられるが、理由を導き出したとしてもこの現状は何も変わらない。
冷や汗が背中をツーッと伝っていくのがわかる。
どうやってごまかせばいいのだろうか。妙案を捻り出したいところだが、頭の中がパニックを起こしていて浮かび上がらない。
――ど、ど、どうしよう……っ!
幹太とは長い付き合いだ。
雫が彼の何もかもを知っているように、彼もまた雫のことでわからないことはないだろう。
だからこそ、悩み考えたとしても行き着くところは一緒だ。
――彼からは、逃げられない……!!
「なぁ、雫」
彼の声は低く、時に甘い。その甘い声は、雫にだけ向けられているものだと知っている。
その声を聞くたびに愛されていると実感をして嬉しくなるのだけれど、今は酷く雫を誘惑してくるように思えてならない。
彼は再び雫に顔を近づけ、目尻にキスをしてくる。