執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
 

 彼は先程雫が突っ返してしまったビロードの小さな箱をポケットから取り出して蓋を開く。
 キラキラと輝くプラチナリング。そこには色とりどりの宝石が埋め込まれていた。

「これなんてデザイナーと相談したりして、二年かけてやっと出来上がったんだ。ようやく先日出来上がったからプロポーズしようと決意していたのに……雫は逃げようとしているし」

 何も言えずに幹太を見続けていると、彼は雫の頬を人差し指で優しく突いてくる。

「本当は雫の誕生日にホテルのスイートルームに泊まってさ。フランス料理のコースでも頼んでプロポーズしようと思っていたんだけどな。でも急遽プロポーズを早めることになったから慌ててレストランを予約しようと思ったんだけど、止めておいた。今の雫にはあっさりした和食を食べてリラックスした方がいいだろうなと思ったから」

 幹太の優しさや愛が伝わってきて、胸が苦しくなってくる。
 一方的に別れを告げて逃げ出そうとしていたのに、彼は呆れることなく雫を捕まえようとしてくれた。
< 127 / 158 >

この作品をシェア

pagetop