執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
「どうやら雫は俺の愛を疑っているようだし? しっかりとじっくりとその身を持って、俺に再度愛されればいい」
ゾクリと背筋が凍る。彼はきっと怒っている。
一人で勝手に決断を急ぎ、幹太から離れようとした雫に対して憤っているのが伝わってきた。
「ついてきて」
幹太は困惑する雫の手を引いてリビングから出ると、一つのドアの前に立つ。
ドアノブを掴むと、ゆっくりとドアを開いた。
「え……?」
どこか既視感を覚えた。二度見したあと、どうしてそんな気持ちになったのかを理解する。
実家に置いてある雫の私物、すべてがこの部屋に置かれていたからだ。
どういうことなのかと混乱していると、彼は雫を背後から抱きしめてきて耳元で意地悪く言う。
「一緒の家に住むとはいえ、自分の部屋は欲しいだろう?」
「あ、あのね。幹太くん」
雫は幹太に別れ話を言ったはずなのに、どうしてこんなことになっているのか。
戸惑いが隠せず、振り返って幹太の話を止めようとする。しかし、彼は無視して話を続けていく。
「あぁ、ベッドは実家に置いてきた。雫は俺と一緒に眠るんだから、同じベッドでいいよな」
「そういうことじゃなくてね」