執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~


「俺はあの時点で雫を嫁さんにする覚悟は決めていた。生半可な気持ちで付き合いたいなんて言わないぞ、俺は!」

 きっぱりと言い切る幹太を見て、唖然としてしまう。

 まだ将来のことなんて何も見えない状況での言葉だったはず。
 そのときの感情は本気だったとしても、それが継続していくなんて思わないだろう。

 彼は雫の頬に触れると、獲物を仕留めにかかる猛獣のような目線で見つめてくる。

「今更逃げられると思うなよ、雫。俺はお前が思っている以上に雫を愛しているんだから」

 目を見開いて硬直する雫に近づき、セクシーな声で耳を蕩けさせてくる。

「別れ話なんて聞いてやらない」

 チュッと音を立てながら耳元にキスをしてくる。そのまま甘えてしまいたくなるが、それはできない。
 彼の胸板をトンと押して、拒絶の姿勢を見せる。

 このまま彼と結婚なんてことになれば、大槻は再び雫と幹太の前に現れるだろう。
 そうなれば、幹太に迷惑がかかることは火を見るより明らかだ。

 雫が拒絶したことにショックを受けたのか。幹太はどこか悲しげな表情を浮かべた。
 胸が痛くなるが、ここで彼と距離を置くことを諦めてはいけない。
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