執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~


「俺から逃げようなんて一生無理だな。雫一筋、何年だと思っている?」

 全身全霊で雫を愛してくれている。それは伝わってきていたし、雫だって彼をずっとずっと愛しているのは事実だ。
 それこそ誰にも渡したくないと思うぐらいには、強い愛情を彼に持っていると自負している。

 だが、だからこそ彼に迷惑をかけたくない。そう思っていることを、幹太には理解してもらいたいのだ。

「幹太くん、でもね――」

 雫の気持ちも理解してほしい。その一心で説得しようとしたのだが、それを幹太に遮られる。

「雫、責任を取ってくれよ」
「え?」
「俺をここまで恋に落としておいて、ポイッと捨てられるなんてあり得ないから」

 グイッと顔を近づけてきて、その距離にビックリして直立不動になる。
 硬直する雫を見て、彼の魅力的な唇の端は妖しげに上がった。

「それこそ、地の果てまでついていくからな」

 怖いほど満面の笑みで言われ、雫は何も言えなくなる。

 ――なんか、逃げられない……?

 最初から一筋縄ではいかないだろうことは予測できてはいた。だが、雫の考えは甘かったのだろう。
 永江幹太という男が雫に見せる愛情の深さを、きっと見誤っていたのだ。

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