執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
 

 余裕の笑顔で外堀を埋め、最終的に幹太の傍にいなければならないという状況に追い込まれてしまった。
 彼は徹底的に雫を甘やかしてくるため、溺愛という海に溺れてしまいそうだ。

 これ以上、雫に彼を好きにさせてどうするつもりなのか。そんなふうに苦言を呈したくなるほど、彼は雫に愛情を注いでくれる。
 それがわかるからこそ、彼の傍にいるのが苦しくなってしまう。

 大槻のことを考えると、プロポーズをお断りしなくてはならない。
 頭ではわかっているのだけれど、彼に慈しまれ幸せに満ちた日々を過ごしていると離れたくないと思ってしまう自分がいた。

 幹太は大槻のことは心配しなくてもいいと断言してくれているが、そういう訳にもいかないだろう。
 だからこそ、プロポーズの返事は保留のままになっている。

 雫としては断るという覚悟を決めて彼にも言ったのだが、それを受け入れてくれない。

「もう少し考えてからでも遅くない」と言いながらも、聞く耳を持ってくれないのだ。

 図書館のスタッフルームへと入っていくと、なんだか重苦しい雰囲気になっていた。
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