執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
だが、少々腑に落ちない部分がある。大槻は元々雫と付き合っている幹太から金の無心をしようと考えていたようだった。
もし、それならば今の状況の方が大槻に取って都合がいいのではないか。
慰謝料より高額の金を要求することができるはずなのに、別れるように仕向けてくる意図が読めない。
大槻からしたら、雫と幹太が一緒にいる方が好都合と考えるはず。それなのに、わざわざ雫を脅して別れさせようとするのはなぜなのか。
大槻の思惑通り、雫が気を病み幹太と別れようと動いたとする。だが、そうすれば幹太から慰謝料を貰うことはできなくなるだろう。
そこに大槻のメリットは何もないように感じるのだが……。
ひっかかりを感じつつも周りの司書スタッフたちに守られながら仕事をしていたのだが、少し油断してしまっていたようだ。
館内なら大丈夫だろうと思って化粧室へと向かうと、その前の廊下で大槻が雫を待ち伏せしていた。
彼の姿を見た瞬間、すぐさま引き返そうと足を止める。
しかし、どうしても大槻の意図が知りたくなり、再び足を動かした。
きっと逃げたとしても、大槻は自分が満足するまで雫に付きまとうだろう。