執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
あの時点で大槻と真亜子は水面下で接触をしていた。そういうことなのだろう。
そして、恩恵を受けているというのは真亜子のことだ。
あれこれ考えを巡らせていると、大槻はすっかり気分がよくなったように声を弾ませながら名刺を差し出してくる。
「話がついたら、ここに連絡してくれ。頼むぞ」
それだけ言うと、大槻は足取り軽く図書館を出て行く。
彼の姿が見えなくなると、身体から力が抜けてしまった。蹌踉めきながら近くにあるベンチに腰をかける。
「そういうことだったのね」
不透明だった点と点が繋がり、ますます怒りが込み上げてきた。
雫が幹太の傍にいたら色々と迷惑がかかる。そう思って涙ながらに別れを告げたのに、こんなのはあんまりだ。
大槻のこともあったが、真亜子に言われた言葉が身に沁みていた。
幹太には、雫よりふさわしい女性がたくさんいる。真亜子のように家柄も良く、彼の仕事をサポートできる人がきっとお似合いだ。それはきっと真亜子のような人だろう。
そんなふうに思い悩んでいたのだが、それは間違いだったと今ようやく気がついた。