執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
自慢するための道具にしたいという理由で幹太に近づき、邪魔だった雫を退けるために大槻を利用していたなんて。
――あの人に幹太くんのことを任せることはできない!!
新たな決意を胸に抱きながら、雫は幹太と向き合うことを決めた。
仕事が終わり、スマホを確認する。すると、幹太からのメッセージが入っていた。
今日は早めに仕事を切り上げられそうだが、雫の帰りには間に合いそうにもないという内容だった。
それを見て彼が無理をしなくなったことを知り、ホッとする。
了解とメッセージを送ったあと、幹太との約束通りタクシーを呼んでマンションまで帰って来た。
すると、一足早く帰って来ていたのだろう。幹太が玄関まで迎えに出てきてくれた。
「雫、おかえり」
朗らかな声で雫を迎え入れてくれる。そんな彼を見ていたら、なんだか泣きたくなってきた。
どうして幹太から離れられると思ったのか。
どんなことがあったって、彼から離れられるはずがない。離れたら、きっと心が死んでしまう。それほど愛おしい人だ。
何も言わずただ立ち尽くしている雫を見て、幹太は眉間に皺を寄せた。
雫のことを心配してくれているのだろう。