執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
顔をクシャッと歪めながら、「幹太くん」と彼を呼ぶ。すると、ますます彼の顔が曇った。
「どうした? 体調でも悪いのか」
心底心配そうにしている彼を見て、覚悟を決めて口を開く。
「結婚してください」
静まりかえる玄関。呆気に取られた様子の幹太。すべてがスローモーションのように感じる。
彼は開きかけた口を一度閉じ、少しの空白を経てから「え?」と微かに驚きの声を上げた。
硬直している彼を見ることなんて、今までにあまりない。それほど雫の発言は彼を驚かせるものだったのだろう。
雫は幹太に向かって縋るように、乞うように言った。
「私と幹太くん、そしてお腹の子と、ずっとずっと一緒にいたいんです」
未だに放心状態でいる幹太に、雫の胸の内をすべて打ち明ける。
「私は私生児で、どこか肩身の狭い思いをして生きてきた。だから、幹太くんみたいな完璧な人の隣にいるのはふさわしくないかもしれないって思っていたの」
「雫」