執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~


「実の父には金の無心をされそうになって、幹太くんに迷惑をかけてしまうし。私は幹太くんの仕事をサポートすることもできないし、実家だってごく普通で幹太くんをバックアップできない。そのことを幹太くんの秘書の佐合さんに言われて悩んでいた矢先に妊娠が発覚して……。これ以上、貴方に負担をかけたくないって思って幹太くんからのプロポーズを断ったの」

 雫の話を聞いた幹太が否定の声を上げようとしてくれたが、それに首を横に振って止める。

「でもね、私ようやく気がついたの。何もない自分だけど、それでもそれをカバーするような愛で幹太くんを包み込みたい。誰の手も借りない。私が貴方を世界で一番に愛するから!」

 目を見開いて驚愕の表情を浮かべる幹太に、雫は決意表明をする。

「私、誰にも貴方を渡したくない、負けたくない! 貴方の一番であり続けたいから」

 力強く言ったのだが、目の前にいる幹太は微動だにしなかった。
 もしかしてすでにプロポーズは無効になっていたのか。そんな心配をしていると、彼は裸足のまま三和土に下りて雫を抱きしめてきた。

「雫、ありがとう……。その言葉をずっと待っていた」
「幹太く……ん」
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