執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
さすがにそれは恥ずかしいし、言い過ぎだ。苦笑いをしながら、彼の背中にポンポンと触れる。
「ねぇ、幹太くん。映画の時間まで少しあるから、デパートに寄ってもいい?」
不思議に思ったのか。ようやく雫を解放してくれた幹太は「どうして?」と首を傾げる。
「何か羽織るものを買おうかなと思って」
この洋服を着た雫をかわいいと絶賛してくれた幹太だが、彼にしてみたら周りの目が気になるということでジャケットを羽織らせてきたのだろう。
そこまで気にして見ている男性なんていないとは思うが、彼の心配は取り除きたい。
何か羽織れば、そこまで露出が気にならなくなるだろう。
「幹太くんのジャケット借りたままでは申し訳ないし、カーディガンを買いに――」
そう言いながらジャケットを脱ごうとすると、それを幹太が止めてくる。
「いい。俺のジャケット着ておいて」
「え? でも……」
困惑していると、幹太が「頼むから」と念押しをしてきた。
「雫は俺の恋人なんだって、周りに認識させたいから」
「えっと?」
「男モノのジャケットを羽織っていれば、雫が彼氏持ちだって周りがわかるだろう?」