執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
どこか必死な様子の幹太を見て、思わず噴き出してしまう。
「もう、幹太くんったら。誰も私のことなんて見ていないよ」
ありもしない心配をしている幹太が可笑しい。クスクスと声を上げて笑うと、なぜだか幹太はその場にしゃがみ込んでしまった。
彼を見下ろすと、こちらを恨みがましい様子で睨んでいる。
「本当、質が悪いよな。雫は」
「え?」
「自己評価、低すぎ」
「そうかな?」
「そうだよ。俺がどれだけ心配しているのか。本当に雫はわかっていない」
盛大にため息をついたあと、幹太はスクッと勢いよく立ち上がる。そして、雫に手を差し出してきた。
「ってことで、雫はそのかわいい格好を隠しておいて」
「……はい」
ここまで褒められたら、何も言えなくなってしまう。小さく返事をしながら手を差し出すと、彼は雫の手をギュッと握りしめて耳元で囁いてくる。
「そのかわいい姿を見るのは俺だけの特権だろう?」
ドキッとしてしまった。
その通りだ。彼にかわいいと褒めてもらいたくて着てきた服なのだから。
コクンと控えめに頷くと、彼は蕩けてしまいそうな甘い声で言う。
「で、その服を脱がすのも、俺だけの特権だからな」