執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
「こんなことになるのなら、やっぱり佐合の娘の肩を持って、雫と永江の跡取りを別れさせるべきだった!」
ドスドスと苛立った足音を立てて雫の方へと向かってくると、腕を振り上げて殴ろうとしてきた。
それを見た幹太はすぐさま大槻の腕を掴み、彼の身体を畳に押さえつける。
大槻は抵抗をし続けながら、今度は佐合の娘である真亜子を睨み付けた。
「アンタはこの二人を別れさせたかったんだろう? どうしてこんな事態になっても黙っているんだ!」
大槻の言う通りで、真亜子は先程から何も言葉を発しない。それどころか顔面蒼白で小さく縮こまっている。
その理由を同席していた彼女の父、佐合が告げた。
「娘はすでに罪を認めているからだ」
彼の声は静かだが、落胆の色が隠せない様子だ。ふぅと息を吐き出したあと、佐合は大槻を見て顔を歪める。
「どこまで落ちぶれれば気が済むんだ……大槻」
先日幹太に聞いたのだが、佐合と大槻は学生時代からの親友だったようで、佐合は母のことも知っていたという。
大槻が母とは円満に別れたのだと思っていたらしく、幹太が佐合に真実を教えたらかなり驚いていたようだ。