執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
佐合は軽蔑の眼差しを大槻に向けながら、吐き捨てるように言い放った。
「まさか敏美ちゃんを妊娠させたのに捨てたなんて……。それも彼女、雫さんを認知していないらしいな。今まで養育費すら払っていなかったんだろう!」
憤っているのだろう。佐合の握りしめた手が震えている。
「昔のよしみで大槻に救いの手を差し出したのが、そもそもの間違いだったのか」
「佐合……?」
「私はお前のそんな姿を見たくなかった。お前は変わってしまったんだな」
肩を落として残念そうにすると、佐合は視線をそらす。
佐合は大槻に泣きつかれ、昔のよしみだからと助け船を出した。
大槻は思った以上に負債を抱えていて、彼一人ではどうにもできない状況だったらしい。
そこで佐合が大槻の会社を買収することで、負債を返すことに成功した。
それは大槻を助けるというのもあったが、働いている社員を路頭に迷わすのは忍びないと佐合が思ったからだ。
会社の方は佐合のおかげでなんとかなった。
しかし、大槻はその後に多額の借金を作ってしまう。それで金の無心をしようと雫に近づいてきたというのが今回の顛末だ。