執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
 

 背を向けたまま、佐合は決別の言葉を大槻に言った。

「買収した会社は私が守る。だから、お前はもう二度と手を出すな。近寄ることも許さない」
「佐合!!」

 泣きつくような声を出した大槻は幹太が手配していた警備員に外へと引きずり出される。

「雫! 俺を助けてくれるだろう? 実の父親だぞ!」

 そんな彼を見て、雫は何の感慨もないことに気がつく。
 自分の親は母だけ。それを再確認したあと、大槻に言った。

「私の親は井熊敏美ただ一人ですから」

 未だに雫に頼ろうとしている大槻は警備員に連れられて、その場をあとにした。

 このあと永江弁護士事務所に連れて行かれ、話し合いの場が持たれる予定だという。
 ようやく場が静かになり、佐合は深々と雫と幹太に頭を下げた。

「娘が大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありません」

 謝罪をしたあと、彼の隣に座る真亜子に怒号を浴びせる。

「お前も謝れ!」

 父親のそんな声は初めて聞いたのだろう。真亜子は今にも泣きそうな顔になり、慌てて頭を下げてきた。
 佐合は怒りが未だに収まらない様子で言い放つ。

「真亜子は佐合の家から出します」
「お父様!?」
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