執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
実家の力を使って幹太を篭絡しようとしていたという話が漏れ出てしまい居づらくなったようだ。
一方の大槻は今、何をしているのかを雫は知らない。幹太に聞けば教えてくれるだろうけれど、聞く必要はないと思ったからだ。
「どうした? 考え事か?」
雫が何も言わずに黙り込んでいたからだろう。幹太は心配そうな顔をして、ベッドに横になっている雫に近づいてきた。
幹太はいつもどんなときも雫のことを気にかけてくれる。それは昔から変わっていない。
たくさんの愛を注いでくれるからこそ、雫も彼に愛をたっぷり伝えていきたい。そう思っている。
スパダリな彼の隣に立つには未だに勇気がいる。だけれど、彼の隣を誰にも譲るつもりはない。
強くはないけれど、それでも幹太のことに関しては誰にも負けたくないと思っている。
「幹太くんとこの子を幸せにしたいなって思っていたんだよ」
一瞬呆気に取られていた幹太だったが、彼の顔にゆっくりと笑顔が広がっていく。
「俺はこの子と雫を幸せにすると誓う。だから――」
彼はより雫に近づき、耳元で囁いてくる。
「ずっと傍にいろよ」
「もちろんだよ、幹太くん」