執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~


 ここ最近さっぱりしたものが恋しく感じるのだと話しながら、幹太がネット予約してくれた席へと向かう。

 封切りからかなり日にちが経ってしまったため、場内は人がまばらだ。
 リザーブしておいた席へと腰をかけ、ワクワクしながら始まるのを待つ。

 今日見る映画は、お互い好きな俳優が主役を演じている。そのため映画の公開が決まったときに「絶対に見に行こう」と決めていたのだ。

 場内が暗くなり、いよいよ本編がスタートした。感動作だと評判はすこぶるよく、かなり期待値が上がっていたのだが、その期待を裏切らない作品だ。

 主役たちのメインストーリーが涙をそそるのはもちろんなのだが、脇を支える役者陣の演技も素晴らしい。
 一番心を動かされたのは、主人公の母親の若い頃の描写だった。

 シングルマザーとして彼女は時に辛い目に遭いながらも、愛する我が子のためにその小さな身体を盾にする。
 その姿を見て、雫は自分の母親の姿と重ねてしまう。

 雫の母、敏美は妊娠が発覚後すぐ、当時の恋人に妊娠したことを告げた。
 しかし、「俺には関係がない」と一蹴。そのまま音信不通になってしまったという。
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