執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
こんなふうに彼と手を繋いで歩く帰り道を何度も経験している。それこそ、保育園の頃からだ。
家が近づくたびに手を離したくないと駄々をこねたくなるのは幼い頃から変わらない。
いつか、このまま彼と手を繋いで同じ家へと帰る日が来るのだろうか。
そんなことを頭の片隅で考えていると、急に手を引っ張られた。
雫の身体を離さないと言わんばかりに、彼は肩を抱き寄せてくる。
「幹太くん?」
驚いて彼を見上げると、そこには蠱惑的な色を秘めた瞳が雫をジッと見つめていた。
「帰したくない」
「え?」
「ダメか?」
低く男らしい声。そこに甘さと淫欲めいたものがプラスされていた。
ドキッと一際高く胸が鳴り、呼吸がしにくくなる。
彼の視線に熱が帯びているのを感じて、恥ずかしくなってしまった。
視線をソッとそらし、彼に身体をより近づけたあと呟く。
「……私、ずっと帰りたくないって思っていたよ、幹太くん」
羞恥心を抱きながらも、気持ちを打ち明ける。
ゆっくりと視線を彼へと戻す。顔が熱くなっているのを感じながら、もう一度自分の想いを告げた。
「帰さないで……」
「雫」
「帰りたくないよ、幹太くん」