執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
すると彼は雫を一度解放し、スマホを取り出してどこかに連絡をし始める。
首を傾げていると、彼は背筋を伸ばして話し出す。
「こんばんは、敏美さん。幹太です」
敏美という名前を聞いて目を見開いた。どうやら雫の母に電話をしているようだ。
「今晩、雫さんをお預かりしてもいいでしょうか?」
幹太と雫が高校生の頃から付き合っていることは、母もよく知っている。
付き合い出した当初、幹太が母に交際の許可を得ているからだ。
元々家族ぐるみの付き合いをしていたので、母と幹太は顔なじみだった。
それなのにきちんとケジメをつける幹太を見て、母は快く二人の交際を認めてくれたのだ。
今では二人の交際について、母がとやかく言ってくることはない。
こうしてお泊まりをする場合は、あらかじめ雫が母に幹太のところに泊まると伝えておくのが通常だ。
それなのに今夜は幹太が連絡をしてしまった。そのことに驚きを隠せないでいるうちに、彼は通話を終えていたようだ。
「敏美さんからOKはもらったから」
冷静な様子で言いながら、スマホをズボンのポケットへと突っ込む。そんな彼を見て、雫は慌てて声をかける。