執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
ふと脳裏に土曜日のことが過ってしまい、誰もいないことを確認してから自分の唇にソッと指で触れる。
「幹太くん、容赦ないんだもの……」
日頃の品行方正な彼とは一変、ベッドでの彼は大胆でセクシー、それでいて雄の気配を隠しもしない。
雫のすべてを大きくて節くれ立つ手で愛され、感情を蕩かしてしまうような甘くて低い魅惑的な声に翻弄される。
雫の身体がすっぽりと収まってしまうほど広い彼の腕に包み込まれると、彼の高い体温を感じてドキドキしてしまう。
心臓がいくつあっても足りない。そんなことを真面目に考えるほどだ。
彼と恋人となって身体を重ねるようになってから、かなり経つ。
それなのに未だに雫は初めての頃と変わらずドキドキしっぱなしで、彼に翻弄され続けている。
それはきっと今後も変わらないのだろう。そんなことを考えながら、カートにある本を手に取り本棚へとしまう。
すると、背後から声をかけられた。
「スミマセン。天雨先生の最新刊はどこにありますか?」
〝天雨〟という名前に反応しながら、どこか聞き覚えのある声に驚いて振り返る。