執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
確かに晶子は天雨翠の一番のファンで間違いない。なんと言っても、雫が書いた処女作から今まで誰より先に読んでいるのは晶子だからだ。
彼女の勧めがあったから、小説家として活動ができていると言っても過言ではない。
彼女が『小説大賞に応募してみたら?』と勧めてくれ、そこで運良く編集者の目に止まったことで天雨翠として作家の道を歩むことになったのだ。
刊行歴を重ねるごとにたくさんの人に読んでもらえるようになり、天雨翠という作家で居続けることができている。ありがたい限りだ。
「雫、休憩は何時から?」
「これからだよ」
「じゃあ、一緒にお昼食べようよ。雫はお弁当作って持ってきているんでしょう? ほら、デザートにプリンはいかが?」
そう言いながら買い物袋を見せてきた。元気いっぱいの晶子を見て思わず噴き出したあと、不思議に思っていたことを聞いてみる。
「ところで、晶子ちゃんは急にどうしたの?」
カートに残っていた本は一冊だ。それを本棚にしまいながら聞くと、晶子は外を指差した。