執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
新刊が出たとき、幹太にも一冊渡しておいたのだけれど、まさか会社で読んで泣いていたなんて。
驚きのあまり目を見開いていると、晶子はニンマリとした表情で視線を投げかけてくる。
「その上、天雨先生のサイン入り本を大事に持ち歩いていて、周りに宣伝しまくっているらしいわよ? 幹太くん、さすがぁ~」
「な……っ!」
まさか幹太がそんなことをしているなんて思いもしなかった。
唖然としたまま固まる雫を見て、晶子はアハハと豪快に笑う。
大口開けて笑っていても、晶子はやっぱり綺麗だ。
揶揄われて恥ずかしいのと、美人は何をしても綺麗なことに不平不満を言いたくなる。
ふくれっ面をしていると、晶子は急に雫の肩を抱いてスマホを掲げてきた。
驚いている間に、カシャッというシャッター音が聞こえる。どうやら雫とのツーショットを撮ったようだ。
急に写真を撮り出した晶子に対して怪訝な表情を浮かべていると、「幹太くんと真太に送るね」と言って今し方撮った写真を彼らに送信してしまった。
「ちょっと、晶子ちゃん! そんな写真を送らないでよ。それに、どうして真太くんにも送ったの?」