執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
半べそをかいているのが、幹太にもわかったのだろう。顔を覗き込んできた。
「俺に少しは雫の心配をさせろ」
「え?」
「雫はすぐに一人でなんとかしようとする。昔からの悪い癖だぞ?」
「……はい」
幹太には何度もそう言われているが、未だに直せない。自分でもわかっているが、なかなか頼れないのだ。
素直に頷くと、彼は困ったように小さく笑った。だが、すぐに難しそうな表情に戻り、腕を組んで考え込み始める。
「雫を口説いてくる男のことも気がかりだが……。先程の男が雫の父親だったとしたら、そちらの方も心配だな」
「そう、だよね……」
先程の男性が大槻だった場合、どんな意図があって雫に声をかけたのか。
その理由が明白ではない今、どう対処すればいいのかわからない。
そもそもあの男性が大槻でない場合だって考えられるが、どちらにしても意味深な様子だったのが気にかかる。
それは幹太も同じ意見だったらしく、低い声で唸った。
「どちらにしても雫の安全を第一に考えたい。心配だから当分の間、図書館までの送り迎えは俺がする」
「え?」
さすがにそれは遠慮したい。いや、断固として反対する。